6月に入ってから、ほかの二匹(オッドさんとナガレさん)に比べて、急に、元気がなくなり、
表情もぼんやりして、餌を食べなくなりました。
何とかして、餌を食べさせようと、いろいろな餌を試し工夫したのですが、
本蛙(ほんにん)に、食べる気なく、食べませんでした。
息をするときに、ぱこぱことした異音がした気がしたので、何か疾患を患っていたかもしれません。
それでも、生かせるために、心を鬼にして、
力ずくでも、口をこじ開けて、練り餌を押し込もう、と、楊枝でランの口を開けさせようとしましたが、
おしっこをぴゅーぴゅー飛ばしながら、猛烈に暴れ、嫌がるので、
あ、これは、泣けないカエルが、泣いて嫌がっているってことなんだ、と思い、無駄に体力を消耗させるだけ、
もうこれ以上、ランの嫌なこと、ストレスになること(餌の押し付け)は止めよう、と思いました。
生き物は、いつかは死ぬ。
ランにそのときが近づいているのなら、できるだけ、穏やかに安らかに、無理をさせずに迎えられるように、と、
ケースを静かな洗面所に移し、まめに覗いては声をかけつつ、水替えをメインとした、お世話(でも、脱皮は手伝う)にしました。
ランは、その間、広々とした水入れの水に浸かったり、陸に上がったり、小さな木のテラスに乗ったり、自由に移動して過ごしました。
食べなくなってから、ひと月あまりを生きて、昨日、水入れと木のテラスの間に、落ちるようにして、亡くなりました。
目は開いたままで、とても楽しそうな、充実した顔をしていました。
私に、ありがとう、と言っているようでもありました。
ラン。
こちらこそ、楽しいときを、ありがとう。
もう、「ラン、ラン」って、呼べないのが、寂しい。
いつかまた会えるときまで、お互いに元気でいようね。